世界遺産マニアの私が今までに訪れた世界遺産を紹介しようと思う。
また紹介するだけではつまらないので個人的な評価も加えさせていただいた。☆4が最高で☆1が最低である。
なお評価基準は「旅行者の視点で見た観光地」であるので、いくら歴史的価値がある世界遺産でも観光地としての見所が少なければ評価は低くなっているということをご理解いただきたい。
日本国(21)
法隆寺地域の仏教建造物 ☆☆
聖徳太子が建造した法隆寺は世界最古の木造建築物である。世界に認められた日本の建築技術の素晴らしさが味わえる建物。
古都京都の文化財 ☆☆☆☆
もはや日本人の我々にとって説明は不要だろう。個人的には文句無しに世界ナンバーワンの都市である。何度行っても歴史の奥深さを感じる。
古都奈良の文化財 ☆☆
京都と共に日本文化の象徴として登録された世界遺産。京都にはさすがに劣るがそれでも歩いていて歴史を感じる素晴らしい町。
日光の社寺 ☆
徳川家康の霊廟がある日光東照宮が有名だが、中禅寺湖や華厳の滝などの自然も楽しめる観光地。
白神山地 ☆☆
広大なブナの原生林は世界的に珍しい。豊富な生態系があるからこそ世界遺産に登録されたのであって観光名所としてはそれほどでもないが、純粋に自然の景色は美しい。
知床 ☆☆☆
海と山が隣接しており、それぞれの間での食物連鎖を見ることができる珍しさが評価された世界遺産。白神山地同様に観光名所として過度の期待を抱くのは禁物だが、素直に湖や滝などの美しさを楽しむことはできる。
原爆ドーム ☆☆☆☆
後世まで残していかなければならないという観点で言うとこれこそが世界遺産にふさわしいかもしれない。世界中の人々に見てもらいたい。もちろん日本人として一度は行っておいて欲しい。
厳島神社 ☆☆☆
海に浮かぶ鳥居というロケーションは素直に神秘的。日本といえば京都や奈良に代表される仏教系の観光地が有名だが、神道という日本古来からの伝統を感じることができる神社も素晴らしいものがある。
姫路城 ☆☆
白鷺城とも呼ばれる白く美しい日本の代表的な名城。なぜ日本の城というものは要塞としての機能と美しさを両方とも高いレベルで備えているのか。
平泉 ☆☆
源義経ゆかりの地でもあり、日本の浄土真宗の文化的価値が世界的に認められた。観光名所としては京都や奈良などに劣るものの、観光分野で東北を盛り上げて欲しいものである。
紀伊山地の霊場と参詣道 ☆☆
高野山を観光。日本仏教の聖地であり墓地は単なる墓地とは思えないほど厳かな雰囲気。歴史上の人物が眠る墓と多数あり見所十分。熊野古道なども行ってみたい。
琉球王国のグスク及び関連遺産群 ☆
首里城跡や玉陵、識名園などを観光。琉球文化を学べるが観光名所としては大きな見所ではない。
屋久島 ☆☆☆☆
自然に関しては普通に良い雰囲気といったレベルであるが、縄文杉がとにかく素晴らしい。縄文杉の存在が評価を一気に押し上げる。あの木の凄さは生で観て欲しい。
富士山-信仰の対象と芸術の源泉 ☆☆
やはり日本人たるもの一度は富士山に登らなければ。世界遺産か否かということはもはや関係なく、日本の象徴として行っておいて欲しい。
石見銀山 ☆☆
かつて世界の銀生産の中心で商業面で世界に大きな影響を与えたという歴史的価値がある銀山はもちろんのこと、大森町もレトロな街並みを残す良い雰囲気である。
富岡製糸場と絹産業遺産群 ☆☆
富岡製糸場を観光。保存状態の良さは注目すべきで、ICOMOSの調査委員が絶賛していただけのことはある。
白川郷・五箇山の合掌造り集落 ☆☆
落ち着いた良い雰囲気だが、少々観光地化されすぎてしまっているか。見所の数自体も多くないので観光という点では目覚ましい驚きはない。
明治日本の産業革命遺産 ☆☆☆☆
万田坑、グラバー園、萩なども訪れたが、なんといっても軍艦島が凄すぎる。太古の古代遺跡に匹敵するほど迫力がある廃墟でありながら、数十年前まで稼働していたためノスタルジックさも感じられる素晴らしい場所。
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 ☆☆
大浦天主堂と天草を訪問。代表的な教会は大浦天主堂だと思われるが、天草の崎津集落も落ち着いていて良い雰囲気。長崎だけではなく天草にも是非訪れて欲しい。
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群 ☆☆☆
辺津宮や中津宮も良かったが大島の沖津宮遥拝場のロケーションが特に素晴らしかった。これに加え、一般人が立ち入ることができない沖ノ島の神秘性もあり、価値の高い世界遺産だと思う。
ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献- ☆
上野の国立西洋美術館へ訪問。無限成長美術館構想に沿って建てられたものであり東アジアでも唯一のル・コルビュジエの建築ということだが、建築に造詣が深くない私にはその素晴らしさはいまいちわからなかった。
大韓民国(1)
慶州歴史地域 ☆☆
韓国の京都とも呼ばれる新羅王朝の都の跡。春の桜の美しさが有名である。
中華人民共和国(6)
万里の長城 ☆☆☆☆
最長期には全長6000kmにも及んだ人類史上最大の建造物。アンコール、タージマハルに匹敵するアジアでトップクラスの遺跡だろう。
北京と瀋陽の明・清王朝皇宮 ☆☆
明、清時代の皇帝の宮城であり現在は故宮博物館として一般に公開されている。博物館としては台湾の故宮博物館の方が上だろうが、世界最大の皇宮としての歴史的価値は高い。背後にある景山公園からの眺めが美しい。
頤和園 ☆☆
西太后の避暑地として利用された公園である。昆明湖や万寿山は、人造とは思えないほどの美しさである。
天壇公園 ☆
皇帝が祭祀を行った宗教的な場所であるが観光地としての見所には欠ける。代々木公園の中心に塔が建っているだけと言ったら想像つくだろうか。
明・清王朝の皇帝墓群 ☆
北京にある明の十三陵が有名である。しかし同じ中国に秦の始皇帝陵という有名な陵墓が存在することもあり、どうしても地味な印象を受けてしまう。
中国南方カルスト ☆☆☆
桂林を観光。漓江下りで川を下っていくと、水墨画の風景そのものの景色が現れる。とても美しい自然遺産。
マカオ(1)
マカオ歴史地区 ☆☆☆
ポルトガルの植民地だったこともあり東洋と西洋の町並みが混ざり合っているような雰囲気である。セナド広場からセントポール大聖堂跡にかけての町並みが特に美しい。
ベトナム社会主義共和国(5)
ハロン湾 ☆☆☆
石灰岩大地が風化してできた景勝地である。その美しさは海の桂林とも呼ばれる。ハロン湾は海なので視野が広く迫力がある。美しさなら桂林、壮大さならハロン湾。
ハノイのタンロン皇城の中心区域 ☆
自分がハノイを訪れたのは世界遺産登録前だったため、タンロン遺跡などはまだ公開されていなかったのだが、ホーチミン廟やバーディン広場などは観光。ホーチミン氏の遺体を拝観しようとホーチミン廟には毎日多くのベトナム人が訪れている。
フエの建造物群 ☆☆
韓国の京都が慶州ならベトナムの京都はフエ。見所が多くて面白いがベトナム戦争の最激戦地だったこともあり、今でも戦争の傷跡が残っている。
ホイアンの古い町並み ☆
朱印船貿易時代に日本と交流があったことで日本人街が形成されたという日本とのつながりが深い町である。最大の見所である日本橋の提灯にはカタカナで「ホイアン」と書かれている。
ミーソン聖域 ☆
古代ベトナムのチャンパ王国の聖域。遺跡好きならそこそこ楽しめるがそうでない人にとってはつまらない観光地かもしれない。ホイアンから日帰りで行けるので時間があれば行ってみてもいい。
カンボジア王国(1)
アンコール遺跡 ☆☆☆☆
世界的に有名なクメール王朝の首都の跡。アンコールワットやトムという有名所やレリーフが美しいバンテアイスレイ、トゥームレイダーの撮影にも使われたタプロームなど数十箇所存在する遺跡はどれも見所満載。
タイ王国(2)
アユタヤの歴史上の町と関連の町 ☆☆☆
アユタヤ王朝の首都の跡であり非常に見ごたえのある遺跡である。しかし地理的な関係で常にアンコールと比較され、「アンコールに比べれば大したことない」と不当に低い評価を受けてしまう残念な遺跡でもある。
スコータイの歴史上の町と関連の町 ☆☆
アユタヤ王朝に吸収されてしまったスコータイ王朝の名残を残す遺跡群。遺跡としての壮大さもアユタヤに負けてしまっているが、そのぶん落ち着いた雰囲気はアユタヤにはない魅力である。
ラオス人民民主共和国(1)
ルアン・パバンの町 ☆
ルアンパバン王国の首都がそのまま残っている歴史ある町…なのだが世界遺産なのにも関わらず特にこれといった見所は何も無い。それがラオスの特徴でもあるのだが。
インド共和国(10)
エレファンタ石窟群 ☆☆
南インド三大石窟の一つ。シヴァ信仰の中心地として建造された石窟寺院である。後述する二つの石窟群には見所で負けるが、島というロケーションは素晴らしい
アジャンター石窟群 ☆☆
南インド三大石窟の一つ。壁画も有名だがなんといっても川沿いの断崖をくりぬいて作られたことによって生まれた景色が最大の見所である。
エローラ石窟群 ☆☆☆
南インド三大石窟の一つ。レリーフの緻密さ、迫力、見所の多さなど総合的にはエレファンタやアジャンターよりも上。限りなく4つ星に近い3つ星。もっと評価されていい遺跡だと思う。
CST駅 ☆☆
ベネチアゴシック建築様式で作られた豪華な駅。こんなに美しい駅なのにムンバイのメインステーションとしていまだに機能しつづけているというのが凄い。軍事上の理由で写真に撮れないのが残念。
タージ・マハル ☆☆☆☆
ムガル帝国五代皇帝シャージャハーンが22年かけて作り上げたムムターズ王妃の墓である。全て白大理石で作られたシンメトリーの建物はこの世のものとは思えないほどの美しさを誇る。
アーグラー城塞 ☆
ムガル帝国の城塞。タージマハルを建設したシャージャハーンは息子に幽閉され、晩年はこのアーグラー城塞の囚われの塔からタージマハルを見て涙を流したと言われている。
ファテープル・シークリー ☆☆
アーグラー郊外にあるムガル帝国三大皇帝アクバルが建てた都だが14年しか使用されずに廃墟となった。都市として使われた期間が短かっただけに原型を美しく留めている。
デリーのクトゥブ・ミナール ☆☆
ヒンドゥー教やジャイナ教の寺院を破壊した跡に造られたイスラム教の寺院。そのため様々な宗教の様式が混在した珍しい造りとなっている。デリーでは一番の見所だろう。
デリーのフマユーン廟 ☆
ムガル帝国初代皇帝フマユーンの廟。左右対称の建築方式など後のタージマハル建築に大きな影響を与えたと言われている。
赤い城の建造物群 ☆
デリーにあるムガル帝国の城塞。ガイドブックなどに書かれているラールキラーという呼び名の方が有名か。しかし観光地としてはアーグラー城塞とほとんど変わらないように思う。
シリア・アラブ共和国(4)
古代都市アレッポ ☆
日本では世界遺産というより石鹸で有名なアレッポ。歴史的な町並みが評価されたのだろうが、実際に歩いてみると特別な見所もない普通の町である。
パルミラ遺跡 ☆☆☆
ヨルダンのペトラ、イランのペルセポリスに並ぶ中東の3P遺跡の一つ。砂漠の中にポツンと残る遺跡というロケーションが美しい。入場料が格安なのも評価できる。
クラック・デ・シュヴァリエ ☆☆
ラピュタのモデルになったとも噂される美しい古城である。十字軍時代の代表的な城であり、アラビアのローレンスは「世界で一番美しい城である」と述べた。
古代都市ダマスカス ☆☆
旧市街の喧騒はまさに中東の雰囲気そのもの。イスラム第四の聖地であり世界最古のモスクでもあるウヤマイドモスクやサラディン廟など歴史的価値のある見所も多い。
レバノン共和国(4)
ビブロス ☆☆
正面に海、背後に大都会というギャップのあるロケーションが特徴的な遺跡である。フェニキア人発祥の地であり、この都市が聖書(バイブル)の語源になったと言われている。
カディーシャ渓谷と神の杉の森 ☆☆
レバノンの国旗にも描かれているレバノン杉はレバノンの象徴でもある。レバノン杉自体はトラブルがあって遠目からしか観ることができなかったのだが、それでも渓谷の美しさは特筆すべきもの。
バールベック ☆☆☆
中東の3Pに勝るとも劣らない素晴らしい遺跡。大列柱の太さやバッカス神殿の大きさなどは自分の目で見てこそ、その凄さを実感できる。しかし遺跡の入場料をぼったくってくる…。
アンジャル ☆
レバノンの城塞都市遺跡。バールベックに比べれば地味だがその分人がこないので静かでいい。ベイルートを拠点にバールベックとアンジャルを一日で観ることも可能なのでバールベック観光のついでに行ってみよう。
ヨルダン・ハシミテ王国(1)
ペトラ ☆☆☆☆
中東の3Pの中では一番との呼び声が高い。インディージョーンズの舞台としても有名である。シークを抜けていきなり現れるエルハズネには感動する。
イスラエル国(1)
エルサレムの旧市街とその城壁群 ☆☆☆
ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地が存在するエルサレムは世界一歴史の深い町と言っても過言ではない。街中には聖書に書かれている場所や建物がたくさんある。
パレスチナ(1)
イエスの生誕の地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路 ☆☆
キリストが生まれた地に建てられた生誕教会をクリスマスイブに観光。自分はキリスト教徒でもユダヤ教徒でもないが、歴史的価値の高い場所であると思う。
エジプト・アラブ共和国(5)
ギザからダハシュールのピラミッド ☆☆☆☆
誰もが知っている三大ピラミッドとスフィンクスは必見。スフィンクスとカフラー王のピラミッドを同時に観ることができる絶好のビュースポットはトリビアの泉で有名になったケンタッキーやその上のピザハット。
イスラーム都市カイロ ☆☆
ピラミッドに隠れがちだがカイロ市内にも世界遺産がある。それがカイロのイスラム地区。いかにもイスラムといったような趣き深い建造物が建ち並んでいる。
古代都市テーベとその墓地遺跡 ☆☆☆☆
二大神殿を要する東岸に王家の谷など見所が多い西岸。王家の谷にはかの有名なツタンカーメンの墓もある。東岸も西岸もどちらも楽しめるが個人的には東岸のカルナック神殿が素晴らしかった。
ヌビア遺跡群 ☆☆☆☆
アブシンベルは個人的にはエジプトナンバーワン遺跡。アスワンハイダム建造のため水没危機にあったこの遺跡の救済キャンペーンが世界遺産誕生のきっかけとなった。ラムセス二世の像の大きさには圧倒される。
聖カトリ-ナ修道院地域 ☆☆
モーセが十戒を授かったと言われるシナイ山。ご来光を観ようと多くの観光客が毎日のように登っている。しかし山頂は本当に寒かった…。
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